PMP資格とは?試験の難易度や取得のメリット、試験の対策方法について
PMP®認定試験が2021年1月に改訂されました
PMP®試験内容の概要
現在の試験の出題分野と問題構成については、PMP®に期待されるタスク、およびイネーブラ(タスクに関連付けられている作業の具体例)の一覧が「PMP®試験内容の概要」として、PMIのHPに掲載されています。
プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)®試験内容の概要
以前は、PMP®試験ではPMBOK®ガイドの内容が直接問われていたのですが、現在では上記の内容が試験の出題分野を表しています。受験予定の方は、この文章は必ずダウンロードして目を通しておきましょう。
PMP試験の2021年1月の変更点について
1. 人(People)、プロセス(Process)、ビジネス環境(Business Environment) の3つのドメイン構成に変更されました。
2. 上記ドメインで、予測型プロジェクトマネジメント・アプローチについて約50%、アジャイル型・ハイブリッド型アプローチについて約50%が出題されます。
3. 問題数が200問から180 問へ変更。
4. 試験時間が240分間から230 分間へ変更。
5. 試験中に 10 分間の休憩が 2 回に変更。
※1 回目の休憩は、問題 1~60 が終わり、その回答を見直した後です。
※2 回目の休憩は、問題 120 が終わり、すべての回答を見直した後です。
※回答を見直して休憩を開始したら、試験の前のセクションの問題に戻ることはできません。
6. 出題形式が、4択の選択問題から、多肢選択問題、複数回答問題、マッチング、限定的な穴埋め問題に変更。
目次 |
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PMI 、PMP®資格、とは?
PMIとは?
米国に本部を置く世界最大のプロジェクトマネジメントの団体で、プロジェクト・マネジメントの方法論を体系化・標準化してPMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系)という名前でまとめ、PMBOK®ガイドとして公表しています。
PMP®資格とは?
PMP®(Project Management Professional)とは、PMI(Project
Management Institute)が認定する世界的規模のプロジェクト・マネジャー資格です。
PMP®資格は、PMBOKにまとめられているようなプロジェクトマネジメントの知識を応用する能力を問うもので、プロジェクトマネジメントを職業とする専門家としての認定資格です。
昨今では、広く産業界でプロジェクトマネジメント技術の重要性が認識されるようになり、これに対応して、PMBOKを勉強したり、PMPR資格を取得したりする人の数も増えてきました。
2020年4月末現在、全世界でPMP®資格保有者は、1,033,511人、うち日本在住者は38,563人と発表されています。
PMP®とは、プロジェクトをマネジメントする専門家
プロジェクトの品質低下やスケジュール遅延を防ぐ!
PMP®は、PMBOK®ガイドの知識体系を理解し、また、ある一定の実務経験をも有しているとPMIが認定した人しか名乗ることができないグローバルな資格です。
PMP®は業界や職種を選ばない汎用性に富んだ資格です!
なぜならば、プロジェクトという仕事が存在しない業種はありませんし、また、マネジメントという仕事が存在しない組織もないからです
【PMP®の適用範囲】
<業界>
建設・建築、エンジニア、自動車、医薬品、IT、サービス業、自治体...など
<職種>
研究、開発、設計、営業、会計、総務、人事、教育、コンサルタント...など
PMP®資格はどうすれば取れるのか?
PMP®を受験するためには一定期間のプロジェクトマネジメントの経験が必要となります。受験資格をクリアするための条件は以下の2つです。
PMP®試験の受験資格の条件1.
プロジェクトマネジメント経験
具体的にどんな経験が該当するのかというと以下の経験が該当します。
- 1. 大学卒業またはそれに相当する資格保有者。直近8年間に3年以上かつ4,500時間以上のプロジェクトマネジメント経験があること。
- 2. 高校卒業またはそれに相当する資格保有者。直近8年間に5年以上かつ7,500時間以上のプロジェクトマネジメント経験があること。
PMP®試験の受験資格の条件2.
35時間以上の公式なプロジェクトマネジメントの研修の受講
PMIでは、PMに関する研修プログラムを準備している教育機関を認定し、認定トレーニング・パートナー(ATP)として公表しています。
認定講座を修了することで、PMP®試験受験に必要な受講時間のカウントやPMP®資格維持に必要なPDUを得ることができます。
アイテックもATPとしてPMP®試験対策セミナーを提供しています。
以下の教育では、教育に関する要件を満たせませんのでご注意ください。
- PMI 支部の会議
- 自主学習(読書、コース修了アセスメントを含まない教育ビデオの視聴など)
※現役のCAPM資格保有者は、プロジェクトマネジメント教育に関する要件は免除されるので、35時間以上の公式なプロジェクトマネジメント研修の受講に関して記載する必要はありません。
CAPMについて
自分に合う学習スタイルで合格を目指そう
アイテックの4つの学習スタイルPMP®試験の申請手続きは?
PMP試験受験のためには、米国のPMI本部に申込手続きをする必要があります。この手続きは、インターネットによって、PMIのホームページからオンラインで行うことができます。
PMP試験の受験申請に関する詳細情報は、PMI本部のホームページ、またはPMI日本支部のホームページから参照するのが便利です。常に最新情報を確認して受験申請を行うようにしてください。
- 受験申請用ページへのアクセス
受験申請用のページにアクセスした後、PMIのアカウントを有していればログインを、アカウントがなければ新たにアカウントを登録して申請を開始します。 - 受験申請入力画面への入力
申請者の氏名、住所当の基本情報と、学歴、プロジェクト経験、受講した研修に関する情報等を入力します。また、申請時にクレジットカード等による受験料の払い込みも必要となります。 - 申請が受理されると、PMIから申請受理の通知が送付されてきます。そこにはその後の手続が記載されており、受験日と会場を決定することができます。日本国内の多数の地域で受験することができますし、自宅または職場からのオンライン受験も可能です。 受験当日は、マイナンバーカード、パスポート、運転免許証等の、顔写真付きの身分証明書を持参しなければなりません。
PMP®資格の出題範囲と、難易度そして合格率は?
まず初めにドメインごとの出題範囲と割合については下記のとおりです。
出題範囲
- 人・・・42%
- プロセス・・・50%
- ビジネス・・・8%
難易度そして合格率
公式からは合格率は発表されていませんが、巷では60%程度と言われています。続いて、基準となる合格ラインについてですが、制限時間230分で180問の問題が出題され、その内5問がダミーのテスト問題で、採点対象となる175問中110問以上の正解(正答率:61%)が必要になります。
再試験を含めると合格率は6割程度(PMI日本支部調べ)と言われていますが、正式な数値は不明です。
PMP®資格取得から更新までの流れ
PMP®は、試験に合格して資格保有者となった後も、プロジェクトマネジメントに従事するプロとして、継続的な教育および職務能力の育成のために、CCR(Continuing Certification Requirements Program)と呼ばれるプログラムに従事する必要があります。 CCRサイクル(3年間)毎に、更新手続きが必要となります。
PDUの取得、登録は計画的に行いましょう
CCRとは?
「CCR」(Continuing Certification Requirements
Program)とは、PMP®資格更新・維持のための更新プログラムです。
CCRプログラムは3年サイクルです。3年毎にPDUというプロジェクトマネジメントのプロフェッショナルとして継続的な教育と職務能力育成を目的とした継続学習を明確にするポイントが必要となります。
3年毎のPMP®資格更新には60PDUが必要となります
PDUとは?
「PDU」(Professional Development
Unit)とは、承認された学習やプロフェッショナルとしてのサービス・アクティビティを定量化する計測単位です。
1PDUは1時間に相当し、1時間を越えればPMP®資格の更新時に0.25単位で申請することができます。
つまり45分の受講では申請できないものの、1時間15分であれば、1.25PDUとして申請することができます。これは全てのアクティビティに適用される原則ですので、申請の際はご自身の申請内容をもう一度ご確認ください。
PDU取得例
- 教育カテゴリーが最低35PDUは必要になる
- 教育カテゴリーが細分化され、「Power Skills」「Ways of Working」「Business Acumen」で各8PDU取得しなければならない
- 1つのコースで3つのサブカテゴリーの内容が盛り込まれているコースもOK
(例)Power Skills5PDU+Ways of Working5PDU+Business Acumen5PDU=15PDUに
CCRの詳細については、PMI®公式ウェブサイト(英語)をご覧ください。
また、随時詳細がアップデートされる可能性がありますので予めご了承ください。
サブカテゴリ―について
Power Skills
-
【定義】
- 他者をモチベートや指導する知識、スキル、振る舞いのこと
- 組織がビジネスゴールを達成できるように手助けするスキルのこと
- ビジョンを明確にする能力,他者が目的を達成できるように導いたり、指導できる能力
Ways of Working
-
【定義】
- プロジェクト、プログラム、ポートフォーリオマネジメントに関した知識やスキル
Business Acumen
-
【定義】
- パフォーマンスを高め、より良いビジネスの結果を組織の中で実現する知識やノウハウ
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PMP®資格などについてのQ&A
- Q1:2020年12月までにPMP®認定試験に必要な35時間以上の公式なプロジェクトマネジメントの研修を受講済みですが、その学習時間を2021年1月から変更されている新試験に適用することはできますでしょうか?
- A1:2020年12月までに取得した35時間以上の学習時間にて、新試験に申し込むことは可能です。
- ただし、2021年1月から試験内容が変更になっているので、変更になった部分の追加学習が必要です。試験出題の約50%以上を占める「アジャイル」に関して追加で学習しましょう。
- Q2:最初の受験で合格できなかった場合、PMPを再受験することはできますか?
- A2:受験資格がある1年以内に、3回まで受験することができます。
- 3回受験した後、再申し込みするには、最終受験日から1年間待つ必要がありますので、受験資格がある1年以内に継続して学習をし、再受験することをお勧めします。
- Q3:『PMBOK® ガイド第7版 日本語版』は、どこで購入できますか?
- A3:PMI日本支部にて購入できます。
-
2021年1月から実施されている新試験の内容は Examination Content Outline
(試験内容の概要)の変更に沿って行われており『PMBOK®ガイド』の改訂により行われているものではありません。『PMBOK®ガイド』は試験問題作成時に参照される資料の1つとされていますが、現在はリリースされている第6版が参照されています。
PMP®認定の受験を予定されている方は継続して『PMBOK®ガイド第6版』を参考書籍としてご利用ください。 - Q4:PMBOK第7版は、第6版と比べて、何が変わったのですか?
- A4:(1)プロセスベースから「原理原則」ベースへ,(2)構成が「知識エリア」から「パフォーマンス領域」へ,(3)対象者が「プロジェクトマネージャー」から「プロジェクトに役割をもつすべての人」へ,(4)「価値」に焦点を当てる
-
12の原理原則
- スチュワードシップ
- チーム
- ステークホルダー
- 価値
- システム思考
- リーダーシップ
- テーラリング
- 品質
- 複雑さ
- リスク
- 適応力と回復力
- 変革
8つのパフォーマンス領域
- チーム
- ステークホルダー
- 開発アプローチとライフサイクル
- 計画
- プロジェクト作業
- デリバリー
- 測定
- 不確かさ